外向きのブログ

積読を消化する『スカートの下の劇場』上野千鶴子

NewsPicksの上野千鶴子さんインタビュー記事がとてもわかりやすかったので、かねてから読みたい本リストに入れていた『スカートの下の劇場』を読んでみることにした。

newspicks.com

売れるためのタイトル・表紙とは裏腹にジェンダー論の歴史や知識がわかる良書だった。1989年に書かれた本だけど文体も読みやすくてかつ普遍的で、現代の予言も的中していて上野千鶴子すごいな~と思った。

今から三十年ぐらい前、戦後無頼派といわれる小説家の一人が、あるときしみじみと、自分の後輩の作家に、「ねえ、君、僕はつね日頃疑問な んだけれど、女には性欲というものがほんとうにあるんだろうか」と言ったという話があります。今から見ればまったく笑うべきエピソードです。そんなことは近代以前の日本人も、近代以後の日本人も言うわけがありません。"近代"という悪夢のようなある一時期の人たちだけが、真面目に信じこんだ神話でした。男も女もそれを信じていました。

今ネットで炎上しているジェンダー云々のことも30年前に議論されてきたことな気がする。
他の近著も読んでみたい。