今日読んだ3冊『恋する原発』など
『2019年日本はこうなる』
2019年の色んな問題について色んな人が書いている本。
これは全く知らない分野とか、これはもうちょい掘り下げてほしかった分野とかがあった。
個人的に興味あった見出し
- 新興国経済 アジアは堅調、非アジアは視界不良
- タレントマネジメントシステム 労働力不足の解消の切り札となるか
- 空き家問題 詳細な根拠データが空き家対策を促進させる
- 医療データ ビッグテータ活用が医療にもたらす効果
- 地域発イノベーション 地方においても期待がかかるベンチャー企業
- 地域間競争 大阪対愛知、二番手はどちらだ?
実際読んでみて面白かったのは
- 知財教育 次世代人材を育成する新たなアプローチ
でした。「海外の人に買ってもらうには?」「自作の絵本やダンス映像を、共有サイトにアップしよう!」など、今後考えられている知財教育に軽く衝撃。私も教育されたい......。
高橋源一郎『恋する原発』
これ、数年前に残り50ページ残して放置してたんですよね......。
内容を忘れていたせいでイマイチ文脈が掴めなかった。でも、ギリギリの表現に挑戦した、前衛的な反原発文学といえると思う。(たぶん)
2011年の本だけあって当時にしか通じない時事ネタはあるけど、表現の斬新さはむしろ2019年になって追いついてきたんじゃないかって感じた。むしろ本を読み慣れていない高校生とかのほうが読みやすいかも?
ただ、もう既に3.11にかんする記憶が薄れてきているのだなあという感じもした。そういう意味でも、当時の日本人、著者の悲しみや怒りを考えるのに良い本なのかな?
西加奈子『サラバ!上』
サークルの先輩が好きな作家らしい。その中で本屋でなんとなく見つけた一冊を購入。
これは上巻だから、後に向けての伏線がいっぱい散りばめられているって感じだった。イラン、エジプト、家庭内不和、機能不全家族、同性愛、新興宗教......など盛りだくさん。
イラン・テヘラン市生まれ、大阪育ちの筆者(めずらしい...)の生い立ちを反映した本かも?
この巻は穏やかなエジプトの描写が目立つ。エジプト行きたいなあってなった。
(おまけ)スーザン・ソンタグ『他者の苦痛へのまなざし』
これは昨日読んだ本ですが......。
『他者の苦痛へのまなざし』読了。「ものごとの普通の外観をよく見せるのは、写真の機能の一つである」ならインスタ映えとかは古典的な写真の使い方なんだなあとかいつの時代にも通じる写真/映像論だった
— ゆきりん #筋トレ垢 (@ykringum) October 5, 2019
ジュンク堂で「SNS時代に通じる普遍の写真論」みたいなポップに惹かれて買った。
Twitterで検索したら結構引用されている本っぽい。
『他者の苦痛へのまなざし』の中でスーザン・ソンタグは、どんな悲惨な写真も、どんな環境で、どんなメディアによって届けられるかによってまるで変わってしまうとしながら、「結局は現実よりメディアの問題なのだ」とシニカルを気取るボードリヤールふうの知識人を軽蔑する。その「怒り」に震える。
— 北條一浩 (@akaifusen) September 26, 2016
それがひとつの痕跡であるかぎりにおいて、単に事件を透明に反映したものではない。それはつねに誰かが選びとった映像である。写真を撮ることは枠をつけること、枠をつけることは排除することである。
論理立って反戦論を展開しているわけではなく、さまざまな観点から写真/映像の役割について述べている感じ。
なんかちょうど「今はインスタ動画がアツい」って話を聞いた後だったから、自分のインスタの使い方も写真論に立ち返って見つめ直そうかなあなど思ってしまった。
積読本にメディア論関連の本が目立つ。今年目標50冊は、このペースでいかないとかなり厳しそうですね......。